【うつ病改善】セロトニン不足が原因かも?

【うつ病体験談3】「パキシル」と「デパス」を服用しながらリハビリしました

うつ病で治療経験のあるシステムエンジニアの男性から体験談をいただきました。治療中は「パキシル」と「デパス」を服用しながらリハビリしたそうで、それに加えてカウンセリングなども受けたそうです。その他にも、「眠る前に座禅を組むように」なったそうですが、実際にやってみるとその効果に驚いたそうです。


 

1.嘘や自分自身の扱われ方に理不尽なものを感じていました

 

私自身のうつ病体験談を書きたいと思います。初めに、私がうつ病になったきっかけは、仕事上のストレスが原因でした。システムエンジニアを仕事としており、毎日夜遅くまで残業の日々でした。

 

開発納期やトラブル発生時の客先対応など、日常的にストレスの強い環境にはいましたが、30代半ばとなり、仕事上の責任も増し、また、上司や会社上層部からのプレッシャーがきつくなったことが大きかったように思います。

 

会社のイメージを損なわないために、上司からは客先で実際よりも進捗が進んでいるように報告させることがあったり、また、目的や課題を告げられないまま、客先との折衝に送り込まれ、なんの手応えもないまま、翌日社長への報告会を開かれるなど、嘘や自分自身の扱われ方に理不尽なものを感じ続けたことが、決定的だったと思います。

 

2.ワイシャツのボタンをとめられない

 

そうした生活の中である朝シャワーのあとで、「ワイシャツのボタンをとめられない」「バスタオルをハンガーにかけられない」といった実際の症状が発生して、病気になったと悟りました。

 

会社には出社しましたが、吐き気と動機がおさまらず、インターネットで評判のよい医者を検索し、話のわかる上司に状況を伝え、午後に早退させてもらい、医者に電話予約をして、やっと取れた19時ころに医者へ向かいました。

 

3.効き目の強い抗不安薬を飲んで緊急の仕事を片付けました

 

その日のうちに、効き目の強い抗不安薬として「デパス」を処方され、1、2週間ほど会社に行き続けました。重要なお客様への内覧などをなんとか平気な顔をして乗り切り、その後、なかば無理やり長期の休暇へ入りました。

 

通院しつつ自宅での半分寝たきりの療養生活は、半年続き、少し回復の兆しが見られたころから、行政が運営するリハビリ施設を医師から紹介してもらい、3ヶ月ほどそこへ通い、生活リズムを整え、会社にリハビリ復帰することにしました。

 

「サインバルタ」と「デゾラム」

 

この間、処方された薬は、向精神薬である「パキシル」(※後にサインバルタに変更)、前述の「デパス」(※後にジェネリックのデゾラムに変更)でした。パキシルは、飲んですぐ効果がでるものでなく、数週間から数ヶ月の期間を使って、体調の回復の波と合わせ、服薬量を増やしていきました。

 

幸い大きな副作用はなく、じっくり休み、調子のより時は適度な運動や家事に取り組みしていくうちに、意欲や体調が回復していきました。

 

4.薬の副作用が多少ありましたが飲み続ける洗濯をしました

 

唯一の副作用として、男性ならではの症状ですが、射精障害がありました。これは、本来なら射精ができるはずが、それができない…というもので、最後の最後で、脳みそがパンクしそうになるような…そんな感じでした。当時付き合っていた彼女との生活では、私自身がとても苦しんだことを覚えています。(笑)

 

ただ、これもひとつの薬の効果であり、私としては、服用していた薬のメリットとデメリットを比較して、落ち着いた気分でいれたり、吐き気がなく食欲をもてるなど、メリットのほうが体感できていたこともあり、もちろん医師との相談の上、「パキシル」を服用し続けました。結果的には、この選択は良い選択だったと感じています。

 

5.職場復帰を目指してカウンセリングも受けました

 

また、倒れた仕事に再度戻るというのは、とても大きなプレッシャーでした。そのため、リハビリ施設と医師だけでなく、医師の紹介でカウンセリングも行いました。なるべく自分自身がストレスを感じた時に、頼れる自分の中の武器を増やしたかったからです。

 

「ハーバード流交渉術」「認知行動療法」「フェルデンクライスメソッド」「座禅」「呼吸法」などは、この時に教わったり出会い、ストレスを感じたり、自分自身気持ちが滅入りそうな時に役立つ武器となりました。いずれも私は専門家ではないので、私なりの解釈になりますが、それぞれの武器の特徴は次のようなものです。

 

6.ハーバード流交渉術と認知行動療法について

 

ハーバード流交渉術は、仕事上の交渉術というよりは、人対人のコミュニケーションにおいてのスキルで、お互いが歩み寄るためのステップをより滑らかで自然な流れにするようなコミュニケーション術として、日頃の会話の中でのストレスを軽減できるものだと理解することができました。

 

認知行動療法は、何か自分の感情が刺激された時に、その出来事を感情と切り離し、一度客観的に確認することで、自分自身の感情の生まれ方の「癖」に気づくというものでした。何もそう思うことはないでしょ?ということは、傍から見ていると往々にしてあることです。これを自分ひとりの力でなるべくやれるように、「癖」を覚えておいて、何か嫌な気分になったり、イライラしても、少し軽減させる発想転換を常に用意するというようなことでしょうか。

 

7.座禅の効果には実際にやってみて驚きました

 

フェルデンクライスメソッドと座禅、呼吸法は、体を使った心の癒し方で、それぞれやってみるまでは、まったく予期していなかった効果があり、百聞は一見にしかず、何事もキチンと体験してみないとわからないと痛感したものです。

 

特に、座禅については、本当に不思議としか言いようがありませんが、気持ちが滅入ってイライラしてしょうがなくても、10分ほど作法にのっとって座ると、さっきまでのこと、気にしていたことがスっと消えて、イライラしていた対象が感情とキレイに切り離されるのを実感できました。

 

忘れるということではなく、感情が静まるという感じで、冷静になれる、クールダウンすると解決方法が見えてくる、というような流れで、ゆっくり眠れるということで、よく眠る前に座禅を組むようになりました。(余談ですが、座禅中は、呼吸が深くなるせいか、以前の健康診断時と比較して、最近の検査で肺活量が2,000ccも増えていて、とても驚きました。)

 

心療内科で受け取った医療費明細書

 

こうした様々な習慣について、学んで復帰に臨もうと体が動くようになってからは積極的に学ぶようにしていました。

 

8.周囲の人たちの強力を得ながら職場復帰しました

 

倒れた職場に戻るため、就業時間や条件などを話し合うことも本人だけでは耐えられないと感じ、様々な人の協力を得るようにしました。会社のカウンセラーの資格も持っていた人事担当窓口の同僚、リハビリ施設の窓口担当者、医師、家族。

 

私自身、ありのままに自分の状況を伝え、要望や目標も伝え、その上で、不安要素についても多くの相談をしました。特に復帰後の人間関係、職責には注意を払いました。

 

実際には、リハビリ出社をして、6ヶ月ほど経ち、だんだんと慣れ始め、自信を取り戻しつつあったころ、社内会議の中で急に強いプレッシャーを感じた私は、会社を飛び出し、車が途切れることなく猛スピードで走っている道に飛び出そうとすることがありました。自信を取り戻しつつあったこの頃、多少背伸びをしていたのかもしれません、まだまだ、万全ではないということを思い知らされました。

 

この時は、偶然、会社の1階出口に差し掛かった時に、仲良くしていたお客様から携帯に直接電話が入り、その電話にだけは出てみようと思えたことで、一線を超えずにすみました。電話を切って、少し落ち着いた私は、会社の裏のゴミ捨て場に行って、しばらく震えていたことを覚えています。

 

9.発病から1年9ヶ月後にようやくリハビリが終了しました

 

そうした浮き沈みを経て、リハビリの文字が取れたのは、発病から1年9ヶ月後、リハビリ出社から1年後のことでした。この頃には、「パキシル」は減薬から断薬に成功し、服薬しない状況になっていました。

 

道中、一番頼りになったのは、直近の上司でした。本当に恵まれていたとしか言いようがありませんが、非常に穏やかで物静かなこの上司は、着実に一歩一歩仕事への自信を私が取り戻せるように後押ししてくれました。

 

運がよかったということも言えるかもしれませんが、私自身もこの上司を信じ、体調が悪く、上司さえも恨みたくなるような気持ちの時にも「この人だけは疑わないでいこう」と言い聞かせていました。

 

家族や近しい職場の人に対しては、ちょっとしたことで腹が立ったり、なんで自分のことをわかってくれないんだと滅入ったり、それ自体がうつ病のおそろしい点でもあります。協力者を遠ざけるように作用する、この病のおそろしさだと思います。

 

10.今まさにうつ病で苦しんでいる人に私からアドバイス

 

今まさにうつに苦しんでいるという方には、まず自分自身が病人であることと向き合って欲しいと思います。仕事を続けられる状況なのか、家事を続けられる状況なのか、無理をしてまでどうしても自分がやらなければいけないことは、そう多くはないように思います。生きるということより尊いことはないのではないでしょうか。

 

まず、元気になる、それから、恩なり借りを返していく。そのためには、休養は不可欠です。自立支援医療制度や傷病手当金制度などもあり、経済的な困窮はさほど不安に思うことはありません。

 

自立支援医療受給者証(精神通院)

 

キャリアに傷が付く…というような気持ちは誰しもにあるかもしれませんが、「病気を乗り越える」というキャリアも人生の上では、この上なく大きなキャリアとして胸を張れるものだと思います。どうか、自分にこそ寄り添ってあげる、そんな心持ちで、日々の生活の選択をしてほしいと思っています。

 

11.うつ病で苦しむ家族をお持ちの方にアドバイス

 

また、うつ病で苦しむ家族をお持ちの方には、病気が治るまでは、「守ってあげよう」「寄り添ってあげよう」という気持ちで接してほしいと思います。体調次第では、コミュニケーションがうまくいかないことがあるのがこの病気のこわいところです。つじつまの合わないことを言っていることがあっても、攻めたりせず、淡々と回復を待ってあげて欲しいと思います。

 

私自身、家族には感謝の言葉しか見つかりません。回復まで「待っていてくれた」という気持ちも強くあります。また、そうした期間を通じて励まし続けてくれた友人は、本当の友人であり、恩人であるといつも思っています。その友人たちへの恩返しの気持ちも込めて、今回はこうした文章を書かせていただきました。

 

今も病と戦い続けている方は多くいらっしゃると思います、そして、支えている方々も多くいらっしゃると思いますが、そうした方々の一助になればと願っております。